2006/8/6

もうやめようかなあ

「これで今週のブログのネタは決まりましたね」 Ｔ.Ｏ君がニヤッと笑って私に言いました。

先週の水曜日、神田の居酒屋で社員数人と飲んでいたときのことです。 カウンターにＴＶが置いてあり、常連客数人が見入っていました。 そう、亀田興毅の世界タイトル戦。 私は奥のテーブル席からときどき覗きに行っていた程度なので、 試合の一部しか見ていませんでしたが、カウンターの常連客は口々に 「うーん、ダメだ」「ぜんぜん当たらん」「ああ倒れそう」 と亀田の苦戦ぶりを示す言葉の連発。 試合終了のゴングが鳴ると「完敗だね」 「これで判定勝ちするには、ジャッジに相当な金を握らせてないと・・・ それでも無理だな、これでは」

で、結果はご存知のとおり。「ええ、ウッソー」 「何だこれは」「ありえないよ」常連客から驚きの言葉が連発。

私もこの週末に、新聞に載っていたジャッジの各ラウンドの採点を見ながら、 録画しておいたビデオを見たのですが、何とも不可思議な判定でしたね。 まあ不正があったとは思いませんが。 ただ私の正直な感想としては、１９歳の若い選手の、世界初挑戦の試合としては、 とてもよく戦ったと思います。

しかし残念だったことがいくつかあります。

• 試合当日の夜、ＴＢＳのニュース番組に出演した亀田の言葉が、 とてもスポーツマンとは思えない、最低のものだったこと。 人間としての最低限のマナーを誰かが教えてあげなくては、 一流のチャンピオンにはなれないよ。 いや、普通の大人にもなれないか。

• ＴＢＳは亀田を「お抱え」なので仕方ないとしても、 他の局はもう少し批判めいた内容の番組を放映するかと思ったら、 翌朝のフジＴＶの番組にも生出演して大口を叩き、 番組自体も亀田に迎合する内容だったこと（友人からの報告による）。 フジよお前もか、といった感じ。

• 新聞報道によると、トレーナーとして亀田を育てた実父に対し、試合後、 ＷＢＡ（世界ボクシング協会）から記念の特製ベルトが贈呈されたとのこと。 （初めから用意されてた？　じゃあ亀田が勝つことをＷＢＡは知っていたの？）

以前、このコラムでも書きましたが、 亀田はボクサーとしての優れた素質を備えていることは確かです。 ただしあまりに順風満帆に来た（楽に勝てる相手を選んで連勝してきた）ので、 本当なら一度負けて、謙虚になって出直せば、さらに強い選手になると思うのですが、 ＴＢＳを始め周囲の人々が「負けることを許さない」のでしょうね。残念です。

さて試合の翌日、私は本社にいたのですが、 じゃぱこんグループのＵ社のＮ社長がニコニコして私に話しかけてきました。 「たった今、秋葉原駅構内で珍しい人に会ったんです。 一緒に写真も撮っちゃいました。誰だと思います？」

思いつかなかったので首をかしげると、 ご自分の携帯で撮った写真を見せてくれました。 すぐには分からなかったのですが・・・あっ、 もしかして、昨日の、彼？

そうです。亀田と戦ったランダエタ選手でした。 気づいた人はみな口々に彼を励ましていたそうです。 ベネズエラ大使館にも、励ましのメールがたくさん届いているそうですね。 一躍、悲劇の主人公になっちゃったようです。 Ｎ社長のお話では、ランダエタの脇にいたマネージャーと思しき人が 「必ず再戦して、勝つ」と言っていたそうです。 まあ亀田は二度とやらないでしょうね。 勝てそうな相手しか選ばないはずですから。

いずれにせよ４０年以上もボクシング・ファンである私にとっては 色々な意味でとても残念な試合だったし、 もうファンでいるのはやめようか、とも考えています。 高慢な言い方で申し訳ありませんが、 あの「ボクシングのことなどほとんど知らずに キャーキャー騒いでいる」人々と同じ範疇に入れられたくない、 という気持ちです。

ところでこの週末はもの凄い暑さでしたね。 うだるような、という表現がピッタリでした。 この暑さの中、２日間もゴルフをやったのですが、 ともに通常よりもいいスコアを出せたのは自分でも驚きです。 ゴルフは運動能力より精神力ですね。

さらに驚きだったのは、これだけ運動して、汗をビッショリかいたのに、 帰宅して体重計に乗ったらぜんぜん減っていないこと。 うーん、来週は人間ドックに行くけど、また体重のことを言われそうだなあ。

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