2007/1/21

一安心。納豆が買えるぞ

また出ちゃいましたね、旧い体質の「隠す文化」が・・・不二家。

上場していると言っても、 あるいはＩＳＯの認証を受けていると言っても、 その内実は同族企業の体質そのものだったようです。 そういう企業は日本にはたくさんあるような気がします。 残念です。

クリスマス商戦で売上を確保した後に公表した、 というのも消費者の反感を買ってしまいました。 しかし１１月に（古い原材料を使ったことが判明した直後に）、 クリスマス時期の売上がゼロになってもいいから公表して立て直す、 という手段を講じていたらどうなっていたか、 それは分かりません。 「勇気ある公表」と評価されていい方向に流れたか、 あるいは現在と同じような批判を受け さらにクリスマスの売上もなしというダブルパンチを食らっていたか。

あくまで想像ですが、早期公表を提案した人も社内にいたと思います。 でも二重の苦しみの可能性を考えるとその勇気はなかったのでしょう。

以前にこのコラムでも書きましたが、 都合の悪いことはできるだけ隠そうとする旧い体質を日本全体からなくさないと、 国際競争には絶対に勝てません。 政治家は個人的出費を事務所費に計上しようとしているし、 学校では履修すべき科目をごまかしているし、 企業も消費者を騙そうとするし・・・何だかやりきれません。

ちょうど今日の午後、同じ年の友人と久しぶりに会ってこういった話をしました。 彼は税理士で、いろいろな経営者と付き合いがあるのですが、 「我々の世代以降は、コンプライアンス精神は高いと思うので、 これからはもう少しマシになると思うよ」と話していました。 そうなってほしいなあ。

テレビ番組も同様です。 ちょうど昨日「納豆でダイエット」の番組のデータ捏造が明らかになりました。 当社の顧客がこの番組のスポンサーなので、 私も微妙な立場なのですが。

でも好感が持てたのは、今夜９時、本来はその番組が放映されるはずの時間に、 製作を担当したＴＶ局の人が深謝し、 さらにどういった点が誤りだったかをかなりの時間をかけて説明していたことです。 数年前だったら「内容に誤りがありました。お詫びいたします。 今後はこのようなことのないよう・・・」ぐらいの説明で終わったはずです。 でも今は情報公開が必要な時代、と判断したのでしょう。 実に詳細な説明がありました。

消費者側も怒るとは思いますが、 でもその前に「ＴＶ番組でそう言っていたから」という単純な理由で 「納豆を食べれば痩せる」と信じることに私は驚いていたのでした。 だって本当にスーパーの棚から消えちゃったんですもの、先週末は。

でも私は家族や友人にこう言っていました。 「２週間で効果が出る、とＴＶで言っていたそうだから、 ２週間経てば多くの人が『なんだ、効果ないじゃん』と自覚して、 また納豆が戻ってくるから大丈夫」と。 だって普段の生活のほとんどを変えずに納豆だけ食べれば減量できる、 なんてありえないでしょう。

今朝の朝日新聞に出ていた吉本興業の人の談話が面白かったです。 「テレビを見る側にも問題はある。 納豆食べれば痩せられるのだったら、水戸の人はみな痩せてなきゃおかしい」

何はともあれ、私の大好物の納豆がスーパーの棚に戻ってくることを喜びたいと思います。

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