2008/9/7

ヘンなサイトに私の写真

私が子供の頃、私と同姓同名、唐沢俊樹という政治家がいました。 長野県選出の衆議院議員で法務大臣なども務めました。 自分の姓名はさほど平凡ではないのに同姓同名の著名人がいる、 というのは子供心に不思議な思いでした。

高校の同級生で私の遊び仲間の田口俊樹は、 一流のミステリー翻訳家です。 私と同名なのですが、実は彼の本名は「俊気」と書きます。 「なぜ本名を使わないの?」と以前尋ねたら 「だって『俊気』だと珍しい字でペンネームっぽく見えてイヤだから、 よくある字の方をペンネームにしたんだ」

本名がペンネームみたいだから、 ペンネームらしくない名前をペンネームに使う、 というのは珍しいケースかも。

その田口から先日メールが届きました。 ウエブサイトのアドレスとともに 「おい、お前の写真がヘンなサイトに載ってるぞ」 のメッセージが。

えっ、ヘンなサイト? 何だろう。 アッチ方面は縁がないし・・・ 水沢競馬場(岩手にある田舎競馬)で叫んでる写真か、 それともハリウッドパーク競馬場でガッツポーズの写真か、 それともラスベガスのカジノで・・・ うーん、そっち方面しか浮かばないなあ。

恐る恐るそのアドレスをクリックしてみると・・・

そこはいわゆる人名事典のようなサイトで、 著名人の名前を入力すると、その人の(およびその人に関連した) 写真や、その人を中心とした人間関係図が表示される、 というサイトでした。

そして前出の政治家・唐沢俊樹氏の説明の画面上に、 なんと私の写真が2枚載っているのです。 いずれもウチの会社のウエブサイトに載っている写真です。

セマンティックウエブ技術を使っている、 との説明が書かれています。 詳しくは分かりませんが、 おそらくウエブ上を検索して「唐沢俊樹」という 文字列がキャプション中に記載されているものを自動的に拾ってくる、 といったやり方で、その写真が当該人物に本当に関連しているか否かは チェックせずに掲載しているのでは、と思われます。

うーん実にいい加減なサイトだ。 特に害はないのでそのままにしてありますが、 場合によっては抗議が殺到する可能性もありそうです。

人間関係図の正しさも疑問に思えたので、 私の大の遊び仲間でパズル雑誌を発行している会社の 社長の名前を入力してみました。 彼はここ数年で著名人の仲間入りをしたので 期待どおり彼のページが表示され、直接関係がある人物として3人の名前が出てきました。 そのうち一人は私もよく知っている人で確かに関係が深い人物です。 でもあとの二人はよく知りません。

ちょうど土曜日にその社長と会った (実際には彼を含む仲間たちと朝4時までトランプ遊びをした)ので、 彼に尋ねてみました。すると二人のうち一人は仕事上の知人だそうですが、 あとの一人は「それ、誰?」でした。 どんなロジックを使えばそんな人がその社長と関係が深い人物だと判断できるのか、 さっぱり分かりません。

このデタラメなサイトは「試験運用中」と表示されており、 Wikipedia のように「皆さんで修正してください」方式を取ろうとしている のかも知れませんが、改めてネット上の情報の不正確さを実感しました。

いずれ私も有名人になってこのサイトに載る可能性がありますので、 今のうちから「載せられたらマズい写真」を撮られないように 気をつけたいと・・・あ、私は品行方正なのでその心配は要らないや。 それよりも、私と同姓同名の人が他にもいたら、 その人がヘンな写真を撮られないように祈らなくては。


不正確な人物情報検索サイトへ

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