2010/4/18

何十年先の上達を求めて

適度な自負心と適度な謙虚さ。 どの業種・業界であれ、勝ち抜くにはこの両方が必要、 というのが私の持論です。

絶対にこの世界で一流になるんだ、自分には それができるんだ、という自信。 でもまだ不十分な点がある、常に学び続けなくては、 という謙虚な気持ち。 自信過剰にならず、かつ卑屈にならず・・・ 両者を適度なバランスで保ち続けるというのは、 本当に難しいものです。

ゴルフの石川遼君。 彼の人間性の素晴らしさに感心していることは以前も 述べましたが、今年になってさらにその思いが強くなりました。

昨年、日本の賞金王になった際 「運がよかっただけです」とか「マグレです」 といった言葉は一切ださず、 賞金王として堂々とした態度で振舞っていました。

いっぽうで今年２月、アメリカツアーで散々な成績に終わった際には 「ボクはまだ、皆さんが期待しているほど上手くないんです」

この微妙な表現！ 単に「まだ上手くない」とは言わず、 上位入賞を期待されているのは分かりますが、 という言葉を添えるあたりに自尊心がよく現れています。 しかも嫌味を感じさせることなく。

４月のマスターズ。 またも予選で敗退して涙を流したのですが、 その後の行動が凄い。 今の自分のゴルフではアメリカで上位に入れないという 思いが相当強かったのでしょう。 いきなりスイングの改造に取りかかりました。

昨年も３〜４月に改造に取り組み、 今年も・・・日本のツアー開幕直前にスイングを 作り直すなんて、 本当に自己研鑽に励む気持ちの強い選手なんですね。

彼曰く「何十年先の上達を求めることも大切」 つまり開幕戦で好成績を挙げたい思いはあるけど、 自分の理想像に近づくために努力する方がもっと大事、 ということなのでしょう。

我々ＩＣＴ業界にも、そして 経営者にもエンジニアにも 当てはまる考え方だと思います。

目先のことだけでなく将来を見据えて・・・ でもこれが難しいんですよね。 人生の師として遼君に弟子入りしたい気持ちです。

ご意見・ご質問のある方は、ぜひメールでお寄せください。必ず返信します。
toshiki.karasawa@nifty.com
私の会社のアドレス宛でも構いません。なおお送りいただいたコメントは本ページで（お名前は出さずに）紹介させていただくこともありますのでご了承ください。