2010/12/5

秘密暴露も度がすぎると

最近話題のウィキリークス。 内部告発により、これまで隠されていた真実が 白日の下にさらされ、 当初は世界各地で拍手喝采でした。

ところが、様子が少し変わってきました。 国家の機密文書や国家のトップの本音発言などを そこまで明らかにしてしまうと、 外交上大問題に発展してしまうのではないか・・・

きょうあたりの報道を見ると、 世界中でウィキリークス包囲網が敷かれ始めて いるように思えます。 創始者が婦女暴行で国際手配されたり、 アマゾンがウィキリークスへのサーバー提供を打ち切ったり、 インターネット決済会社のペイパル がウィキリークスとの口座取引を打ち切ったりと、 ウィキリークスが事業を継続することが 困難になりつつあるようです。 なんらかの圧力があったのかも知れませんが。

まあ政治や国際外交の舞台では、 表向きの発言と真意とが異なるのは 当たり前なのでしょう。 それを全部あからさまにするのは 乱暴すぎる、という考えも分かる気がします。 いずれにせよ今後の展開に注目です。

ビジネスの世界でも、 二面性を持つ経営者を見かけることはあります。

先日、有名な外食産業のトップがＴＶの インタビュー番組に出演していました。 その中で語っていたのは 「うちは残業を極力させないようにしている。 私も率先して、夕方６時前に退社している。 残業しても生産性は上がらない」

うーん、それは立派な考え方だなあ。 あれっ？ 待てよ。 働かされすぎて過労死に至り問題になったのは、 このチェーンの店長じゃなかったっけ？

また先日、大学生の就職コンサルタントをしている 先生にお会いした際に伺った話ですが、 「ある企業に就職した元教え子から、 会社をやめたいという相談を受けた。 法律を無視したような、 あまりにひどい労働を強いられて、 肉体的にも精神的にも限界、ということで」

でもその企業の会長だか社長だかは、 よくＴＶ番組に出ていて 「私は社員をこのように大切に扱っている」 という話をしているのです。 私も聞いたことがあります。

もちろん政治の世界でもビジネスの世界でも、 きれいごとだけで成功するのは難しい というのは分かります。

でもこれほど極端な二枚舌を使った経営というのは、 私にはとうていできないなあ。 そういう経営者たちは、 産業界の機密も暴露するウィキリークス の存在に怯えていたかも。

私だって社員に厳しいことを言い、 負担のかかる仕事を指示することはあります。 でもその事実とは異なるきれいごとを 他の場所で言う気にはなれません。

ただ自分では気づかずに 矛盾した発言をしてしまう可能性はゼロではないので、 常に自分の信念に沿った発言をしようと努めている つもりです。信念が変わらなければ発言内容が 変わることはありませんから。

ちょっと立派なことを言い過ぎたかなあ。 でも少なくとも私はウィキリークスなんか 怖くありません。 まあ向こうが相手にしないとは思いますが。

ご意見・ご質問のある方は、ぜひメールでお寄せください。必ず返信します。
toshiki.karasawa@nifty.com
私の会社のアドレス宛でも構いません。なおお送りいただいたコメントは本ページで（お名前は出さずに）紹介させていただくこともありますのでご了承ください。