2013/5/19

慧眼を持つが故の買い得

４月に行われた男子ゴルフの米国のメジャー・トーナメント、マスターズ選手権で、惚れ惚れするようなイイ男、アダム・スコットが優勝しました。

テレビで見ていて気づいたのですが、スコットが着用したシャツの左胸にはユニクロの赤いロゴ。とても目立ちます。特に最終日は真っ白なシャツに赤いマーク・・・まるで日本を思わせるかのような配色。

右胸にはメルセデスのロゴが付いているのですが、色も形もあまり目立たず、赤いユニクロが目に焼きつきます。これが全世界に流れたわけです。

後で知ったのですが、ユニクロと契約して最初の試合がこのマスターズだったとのこと。スコットは一流プロとは言えそれまでメジャー大会は未勝利の選手。ユニクロは素晴らしい慧眼でいい契約をしたものです。マスターズ後に契約、だったら金額が１桁違っていたかもしれません。

「でもねえ」後日友人たちとこの話題で飲んでいたときの私の発言。「テニスのジョコビッチや錦織もユニクロと契約しているようだけど、世界的なアスリートがニッキュッパのシャツやズボンを穿くなんて考えられないよね。彼らには特別製の衣料を提供していると思うよ」

ところが先日、その私の考えが誤りだったことが分かりました。今回のユニクロの慧眼を扱った新聞記事で、マスターズ優勝の広告価値は50億円から100億円と見られる、と述べた後、「スコットがマスターズ最終日に身につけていたポロシャツ、ズボン、ベルト、肌着の４点はいずれも市販品で、合わせて7960円」だそうです。

ホントかな？ という気もしますが、きちんと取材して書いてあるようなので、本当なのでしょう。そうか、スコットのウエアは私のより安いのか。

でもスコットが着た7960円の方が、私が着たもっと高いウエアよりもカッコよく見えます。理由は分かりませんが（知ろうとも思いませんが）。

でも家内に言わせると「他のブランドの８千円とか１万円のシャツだって、生地などの質はユニクロと大差ないんじゃない？ ブランド料として高い値段をつけているだけで」うーん、それも一理あるなあ。

ユニクロ（ファーストリテイリング社）は、2002年からの数年間は業績が下降し、暗雲が漂った時期もありましたが、その後急激に回復して、現在は年間売上１兆円を超える勢いです。

経営陣がとても肥えた「目」を持っていることに、私も敬服しています。とても足元にも及びませんが。

組織としても、そういった「目」が養われて、今回のような「契約、即メジャー優勝」につながったのでしょう。単に幸運だけだったとは思えません。

ちなみに、その新聞記事のタイトルが秀逸でした。

「ユニクロ広告　ホールインワン」

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