2018/9/2

いい理髪店選びは難しい

【このコラムは、毎月第１日曜・第３日曜の２回、更新します】

先日「千円カット」のチェーンを展開するQBハウスが、来年２月に料金を1200円に値上げする、と発表しました。理由は、競争の激化により人材確保が難しくなったため、とのこと。

それが真の理由だとすれば十分に理解できます。QBハウスは、私は数年前に利用したことがある程度ですが、時々行く地元のスーパー銭湯にも千円カットの店があり、その店も２〜３回利用しました。カットの後、すぐに洗髪できるし便利です。

でも驚いたのは、QBハウスが約10分のカット時間なのに対し、その銭湯内の店は20分ほどかけて丁寧にカットしてくれるのです。それはありがたいのですが・・・

客が切れ目なく来てくれたとしても、一人の理容師がカットできるのは１時間に３人。８時間働いたとして１日の売上げは最大24,000円です。月に20日間、目一杯働いて売上げが48万円。平日は客が来ない空き時間も出てしまうでしょうから、実際の売り上げはもっと低いでしょう。しかもその店は税込みで千円なのです。

そしてコストは・・・家賃、光熱費、理容設備の償却、理容器具、タオル等の洗濯代等の諸経費・・・はたして理容師さんはいくら貰えるのでしょう。

少しでも安いものを求めるのは消費者としては当然の行動ですが、度を超してしまうと世の中のシステムが崩れてしまう気がしてなりません。フルに働く理容師さんの給与が新卒の初任給程度だったら、やるせないです。

値上げ後のQBハウスの経営が順調に行くことを願っています。残念ながら私はたぶん利用しませんけど。

理髪店選びってなかなか難しいですね。私も以前、行きつけの店がある事情で廃業してしまい、新たに「サービスや雰囲気がピッタリくる店」を探すのに苦労しました。

私より若い世代であれば、男性でも床屋ではなく美容院に行ったり、ガラス張りで外から丸見えの店に行ったりできるのでしょうが、私には無理ですし。

何軒も試した後いい店をようやく見つけたので、良好な関係を長く続けたいと願っています。

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