2018/11/4

野球の醍醐味は好守備？

【このコラムは、毎月第１日曜・第３日曜の２回、更新します】

プロ野球のシーズンが終わりました。日本シリーズも米国大リーグのワールドシリーズも、ともに（私にとっては）順当な結果に終わりましたが、緊迫した試合も多く十分に楽しめました。

そして今は私の大好きな米国NFL（アメフト）が佳境を迎えています。予想外のチームが全勝街道を走っていて、さらに強豪と呼ばれるチームも復調気味だし、ルーキーが中心の若い好調なチームもあり、プレーオフからスーパーボウルに向けてどのような筋書きが待っているのか、本当に興味津々です。日本で盛り上がっている人は少ないでしょうけど。

以前はNHK-BSで毎週３試合ぐらいは録画放映してくれていたのに、今はたった１試合だもんなあ。CS放送の日テレジータスが唯一の頼みの綱です。

日テレ系はずっとNFLを支援してくれていて、学生時代にアメフトプレイヤーだったお笑いコンビ・オードリーの二人が司会を務める30分番組を、シーズン中は毎週放送してくれています。その週に行われた試合の解説などがとても分かりやすく、（少なくとも私には）好評です。

オードリーの二人には、もし他の仕事が忙しくなったとしても、この番組「NFL倶楽部」だけは続けてほしいなあ。

ところで「テレビ番組で紹介される好プレー」って、スポーツの種目によってプレーの種類が変わりますね。たとえばサッカーだと、見事なシュート（正しい英語だとショット）を決めたシーンが紹介されることが多いです。以前イギリスで見たスポーツニュースでも同じでした。

でも野球の好プレー特集は、そのほとんどが守備です。ジャンピング・キャッチ、スライディング・キャッチ、外野から本塁への矢のような送球などなど、素晴らしい守備の方がホームラン・シーンよりも絵になります。

見ている方も、何となく美を感じることがありますね、好守備のシーンには。

そして今年の日本シリーズで、美しい守備のジャンルとして「盗塁を阻止する捕手の送球」が新たに加わりました。ソフトバンク・ホークスの甲斐拓也捕手。見事な送球を見せ、シリーズのMVPまで獲得してしまいました。

盗塁阻止だけでMVPがもらえるという前例を作ったのは素晴らしいことだと思います。すべての面でそこそこの成績を残すよりも、自分の武器を作り自分の特徴を生かしたプレーで勝利に貢献する方がやりがいもあるでしょう。その上さらにMVP受賞ですから最高でしょう。

捕手の肩だけでなく、外野の守備、送りバントなど細かい野球の戦い方で、ソフトバンクは広島を引き離していたと思います。というより、パ・リーグがセ・リーグを引き離してしまったのかもしれません。ここ数年のオールスターや日本シリーズを見ると、そう思わざるをえません。セの球団の奮起に期待しましょう。

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